アライグマをどうやって予防・駆除をすればよいでしょうか?

アライグマは外来生物法に基づく特定外来生物に指定されており、アライグマを自分でつかまえることはできません。取り扱いは法律によって定められており、法律に沿って駆除をする必要があります。この記事ではアライグマの予防方法と駆除方法について説明します。

特定外来生物であるアライグマ

アライグマの捕獲と殺処分は簡単にはできません。特定外来生物であり鳥獣保護法でも保護されているため、いつでも誰でも勝手に捕獲したり駆除してしまうことはできず、法律により罰せられてしまいます。自宅の敷地内に限っては市町村の所有する箱ワナを貸与している場合もあります。それで捉えたとしても回収とその後の処分は行政が行います。なんにせよこの場合は市役所等に相談する必要があります。また、庭や畑への被害はともかく、天井裏に棲み着いているという場合に箱ワナによる捕獲は困難です。
また、アライグマはその見た目に関わらず大変気性が荒く、捕獲時にけがをすることがあります。前述のとおりアライグマに傷つけられてしまうと、回虫、マダニ、狂犬病による感染症の恐れが発生します。

アライグマが特定外来生物に指定された経緯

アライグマは視覚があまり良くないため前足を水中に突っ込んで獲物を取る習性があり、その仕草がものを洗っているように見えるためにこの名前が付きました。アライグマの英語名のラクーンは、インディアン語の「手でこするもの」という意味が語源となっています。
見た目がとても可愛らしいこともあり、1970年代に日本でアライグマが主人公のアニメが放映され人気を博していたこともあり、ペット用にアメリカからアライグマが大量に輸入されました。このアライグマが自然に放されてしまったために日本でアライグマが増えたと言われています。

野生化した外来種であるアライグマは、日本の環境に適合して生息域を増やしました。

• 日本にはオオカミなどの肉食哺乳類があまり存在しません。これらはアライグマの天敵であり、天敵に捕食されることがあまりないこと。
• アライグマは高い繁殖力を持っていること。
• アライグマは雑食性で何でも食べるのですが、山や森が多い日本は餌が豊富にあること。
• アライグマは適応能力がとても高く、元の生息域(北米)でも、平地、山間部、温暖地域や寒冷地域などどこでも生息できます。日本も多様な環境があり、かつ平地が少なく身を隠すことのできる場所が多いこと。

これらの理由から、アライグマは1970年代に始まったとされる日本での野生化から、今では44都道府県にまで生息域を拡大してきました。
アライグマによる被害が深刻になると対策を求める声が強くなりました。日本哺乳類学会はアライグマを含む3種類の外来種の駆除を求める大会決議を1998年に採択し、日本生態学会は日本の侵略的外来種ワースト100の一つにアライグマを選びました。そして2005年に外来生物法が施行されると特定外来生物に一次指定されました。

アライグマの予防

まずはアライグマを寄せ付けないことが大切です。
野生のアライグマを見つめても餌を与えないようにしましょう。餌を与えると味をしめて家の中に棲み着いてしまいます。また生ゴミなどのアライグマの餌になりそうなものは密封性の高い袋に入れたりしてアライグマにあさられないように対策をしましょう。ペットの餌にも気をつけましょう。アライグマが食べもののある場所だと認識してしまうと、何度もやってくるようになってしまいます。アライグマをなるだけ私達の居住区域に近づけないことが必要です。
また、家の中や庭や畑に侵入されないよう、隙間を塞ぎます。アライグマは手先が器用で簡単な障害物で塞いでも手でこじ開けて入ってきてしまいます。出きる限り頑丈な障害物を用意しましょう。

また、アライグマを見つけても素人が手を出してはいけません。
「アライグマを見つけても勝手に捕まえない」「アライグマのフンを素手で触らない」「アライグマを見つけても興味本位で近づかない」を守るようにしてください。

アライグマを見つけても勝手に捕まえない

アライグマは特定外来生物なので捕獲方法が法律で定められています。

アライグマのフンを素手で触らない

アライグマは小腸に大変危険なアライグマ回虫が寄生していることがあり、アライグマ回虫はフンの中にも入っていて感染する可能性があります。この幼虫を誤って飲み込んだり土壌に幼虫が混ざり手に触れることで感染します。幼児が外で遊ぶ際は手洗いとうがいをしっかりしましょう。

アライグマを見つけても興味本位で近づかない

アライグマはかわいらしい外見をしていますし、そのフレンドリーなイメージから、家のペットの犬や猫を抱くイメージで近寄ってしまいそうになりますが、それは大変危険です。アライグマは気性が荒く凶暴な性格をしています。人を襲うことも十分にありえます。また力が強く器用で、動物園のオリを抜け出せるほどです。アライグマによって傷つけられた場合、感染症の危険があります。

アライグマの駆除

すでに野生のアライグマが家に棲み着いてしまっている場合は家からアライグマを追い出します。アライグマを捕獲することは法律によって規制がありますので、基本的には追い出すことになります。
アライグマを追い出すには、忌避剤を使う方法と音や光を使うほうがあります。

忌避剤を使う方法

忌避剤とはその動物が嫌がるにおいのする物質を発生させることです。
アライグマは唐辛子やハッカのにおいが嫌いだと言われています。またシナモンなどのハーブ系のにおいも嫌いないようです。また、他の害獣対策によく利用される木酢液も効果的です。木酢液は木材の乾留液(木タール)の上澄み分で、山火事のようなにおいがするため動物が嫌うと言われています。
天敵の尿の成分の入った忌避剤も市販されています。アライグマの天敵はオオカミやオオヤマネコなどの肉食哺乳類です。
しかしにおいは拡散すると効果が出ないために、設置場所や状況を整えなければなりません。またしばらくするとアライグマが慣れて戻ってきてしまうこともあります。

音や光を使う方法

音や光を使う方法としては、アライグマの嫌がる超音波を発生する機材が市販されていますので、それを天井裏に仕掛けるなどがあります。またアライグマは夜行性動物なので青色LEDストロボが有効です。アライグマの天敵のオオカミの鳴き声を流すことも有効です。しかしこれらもアライグマが慣れてしまう可能性があります。

アライグマによる二次被害の防止

アライグマを駆除または捕獲したあとも、二次被害の対策を講じないと被害が復活してしまいます。

アライグマの糞尿の撤去・清掃・消毒

アライグマは自分の巣の周囲や同じ場所で排泄する習性があります。アライグマを追い出してもアライグマの糞尿がそのままならば被害杯解決しません。これらは悪臭を放つとともに雑菌や寄生虫の巣ですので、清掃にはマスクや手袋などが必要です。清掃が終わったあとは殺菌消毒消臭をします。

アライグマに壊された家屋の修繕

アライグマは断熱材を巣にしていることが多いので、多くの場合断熱材の交換が必要になります。また、アライグマの糞尿で天井板や壁にシミができていたりすることがありますので、これらを補修する必要があります。

アライグマの侵入経路の封鎖

もともとその場所はアライグマにとって快適だから棲み着いていたわけなので、ある個体を追い出しても他の個体にとって依然棲みやすい状況のままです。侵入経路を調べ、それを封鎖するための処理をします。例えば換気口から侵入していたという場合は、換気口に強度の高い網で隙間を塞ぐというようにします。屋根の隙間、通風孔、軒下、戸袋などを金網でしっかり防ぐことが大切です。